原油先物取引が注目される理由
今、原油先物取引が注目を集めています。先物取引と言うのは、取引したい対象の物をある時期に価格を決めて、将来的に受け渡す売買契約の取引の事を指しています。例えば1ヶ月後に原油価格1バレル65ドルで購入すると言う契約を今日時点で結ぶのが先物取引、今日時点の時価で現物を売買する取引を現物取引と言います。取引対象になる商品としては、原油や金銀、プラチナと言った商品類、とうもろこしやコーヒーと言った農産物、為替や株価と言った指標等が挙げられます。
本来、先物取引をするにあたっては取引している時点の商品を将来取引する為に今時点で価格を確定させてしまい、将来価格変動が起きた際のリスク回避をする為の取引方法として使われてきました。例えば、原油価格が安値の際、将来的に原油価格が値上がりしたらコスト的に大変だと思っている原油を取り扱う業者が、先物取引をする事で安値の価格で受け取ることが出来るのです。対して、原油価格が更に安値になっている時にはその恩恵を受ける事は有りませんが。逆に原油を売りたい側にとっても同じ様なリスク回避が望めます。
ただし、取引時点では商品の受け渡しが行われない為に、信用リスクが有る事も忘れてはいけません。こう言ったリスクを回避する為にも、先物取引市場では色んなルールが取り決められているのです。また、先物取引には証拠金を使うことで資金以上の取引が可能になりますし、投機取引によって行われる差金決済も可能なのです。